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サブスクリプションオプティマイザー（Subscription Optimizer）

Subscription Optimizer は、未使用の席をほぼリアルタイムで再割り当てすることでクラウドサブスクリプションのコストを削減します。必要なときに必要なユーザーへアクセスを提供しつつ、無駄な割り当てを排除します。

機能概要​

  • 対応 SaaS プラットフォームでのライセンス割り当てを自動化
  • 実利用とポリシーに基づき未使用席を解放
  • LAC（License Access Control）のルールでポリシー遵守を担保
  • 割り当て/再割り当て/不可時にエンドユーザーへ通知

対応プラットフォーム​

  • Autodesk Cloud — 再割り当てチェック　毎30秒
  • LinkedIn Sales Navigator — 再割り当てチェック　毎60分

今後、Microsoft 365、Azure をはじめとする追加の SaaS プラットフォームに対応予定です。

仕組み（概要）​

  1. 利用シグナル
  • ユーザーがアプリ（例: AutoCAD）を起動すると、OpenLM Agent が Process Manager に報告。
  • Process Manager はアクティブセッションを更新し、利用シグナルを Subscription Optimizer に転送。
  1. 適格性の確認
  • LAC（INCLUDE ルール/グループ）に基づき対象ユーザーかを確認。
  • 対象外の場合は End‑User Services（EUS）がユーザーへ通知、必要に応じて管理者通知。
  1. 席の割り当て
  • 対象かつ既に席あり → 何もしない
  • 空き席あり → 席を割り当ててユーザーへ通知
  • 空き席なし → 最適化ロジックを実行
  1. 最適化ロジック（再割り当て）
  • 実アプリ活動に基づき未使用の割当席を特定
  • 1 席/日あたりの再割り当て上限を尊重（既定 1）
  • ML Usage サービスに問い合わせ、直近で必要性が低い候補（既定しきい値 0.6）を選定
  • 可能性の低い候補から再割り当て。影響を受けるユーザーに通知
  1. トークングループへのフォールバック（該当時）
  • 再割り当てが不可能な場合、トークングループ（暫定アクセス）に配置可能であれば実施
  • 約 24 時間後にバックグラウンド処理で暫定割当を解除し、過剰課金を回避
  1. 通知
  • 次の場合にユーザーへプッシュ通知:
    • 席が空いておらず、ユーザーが対象外である場合
    • ユーザーがトークングループ（暫定アクセス）に配置された場合
    • 席がそのユーザーに割り当て／再割り当てされた場合
備考

Subscription Optimizer は、OpenLM Agent、Process Manager、LAC、EUS、そして（対応ベンダー向けに）SAS Agent と連携して各アカウント API にアクセスします。

主な機能​

  • ライセンスの自動割り当てと再割り当て
  • LAC のユーザー／グループを用いたルール駆動の対象判定
  • 実アプリ利用に基づく使用状況ベースの最適化
  • より賢い再割り当てのための機械学習による予測
  • 通知によるエンドユーザーへの透明性提供

利点​

  • 未使用サブスクリプションを回収してコストを削減
  • ほぼリアルタイムの再割り当てで可用性を改善
  • LAC ルールと一貫したワークフローでポリシーを順守

前提条件​

  • OpenLM Workstation Agent がインストールされ、Web モニタリングが有効であること
  • 各ユーザーに有効なメールが紐付いていること（Autodesk や LinkedIn などの SaaS プラットフォームで使用）
  • License Access Control (LAC) にて INCLUDE ルールと関連ユーザー／グループが設定されていること
  • 対応する SaaS プラットフォーム（例: Autodesk Cloud、LinkedIn）向けに SAS Agent が構成されていること
  • OpenLM 製品で Subscription Optimizer が有効化されていること
  • 統合を完了するための SaaS テナント管理者アクセス権

セットアップ手順（概要）​

  1. LAC でユーザーと対象判定を準備
  • INCLUDE ルールを用いて、最適化の対象となるユーザー／グループを定義します。
  • 最適化対象とするアセットについては、管理対象の LAC アセットで最適化を有効化します（管理者設定）。
  1. SaaS プラットフォームを接続
  • 各対応プラットフォームについて、SAS Agent 経由で必要な管理者資格情報を設定します。
  • LAC がそのアセットのルールを読み取り／デプロイできることを確認します。
  1. Workstation Agentをデプロイ
  • エンドユーザーマシンに OpenLM Agent がインストールされていることを確認します。
  • Process Manager がアプリの使用データを受信していることを確認します。
  1. Subscription Optimizer を有効化
  • アカウントで本機能をオンにし、最適化するアセットを選択します。
ヒント

LAC の設定と概念については ./automations/lac を参照してください。

管理者向けクイックチェックリスト​

Subscription Optimizer をエンドツーエンドで有効化・検証するための簡易チェックリスト:

  1. 機能を有効化
  • Products で、アカウント／テナントに対して Subscription Optimizer を有効化します。
  1. SaaS プラットフォームを接続（ベンダーごと）
  • 各対応プラットフォーム（例: Autodesk Cloud、LinkedIn）に対し SAS Agent で管理者資格情報を構成します。接続性と権限を確認してください。
  1. LAC で対象判定を構成
  • License Access Control で、最適化席を受け取れるユーザー／グループに INCLUDE ルールを追加します。Optimizer に管理させたいアセットでは、管理対象 LAC アセットで最適化フラグを有効化します。
  • 参考: ./automations/lac
  1. Workstation Agentをデプロイし、使用状況を検証
  • ユーザーマシンに OpenLM Workstation Agent をインストールし、Personal Dashboard にアクセスできる状態を維持します。
  • 対象アプリで Process Manager が使用状況を受信していることを確認します。
  • 参考: ./users/personal-dashboard.md, ./data-collection/process-manager.md
  1. かんたん動作テストを実施
  • 対象グループのユーザーを 1 名選び、対応アプリ（例: AutoCAD）を起動します。
  • 席が空いていれば自動割り当てされ、ユーザーに通知されます。
  • すべて占有中なら、Optimizer は（1 席／日の上限を尊重しつつ）再割り当てを試みるか、設定されていれば暫定アクセスとしてトークングループに配置します。
  1. 結果を検証
  • LAC で、最適化対象アセットに対する RESERVE ルールが割り当てを反映していることを確認します。
  • レポートでアクティブセッションが記録されていることを確認します。プロセス履歴は ../reporting/ui-reports/process-sessions.md を参照。
  1. 動作のチューニング（任意）
  • ML しきい値のデフォルトは 0.6、再割り当ての一日上限は「1 席あたり 1 回」です。変更が必要な場合はサポートへお問い合わせください。

日常運用​

  • ユーザーは通常どおりアプリを起動します。
  • 対象ユーザーで席が空いていれば、自動で割り当てが行われます。
  • 空きがない場合、日次上限の範囲で再割り当てを試みます。
  • 再割り当てが難しい場合、（設定されていれば）一時アクセスとしてトークングループに配置されます。
  • 24 時間に近づく時点で、一時割り当ては解除され、トークンの過課金を回避します。

プラットフォーム注記​

  • Autodesk Cloud
    • 再割り当て機会の高速チェック（約 30 秒）
    • SAS Agent を介して Autodesk API と連携
  • LinkedIn Sales Navigator
    • ライセンスのリバランスは毎時実行

構成の詳細（Optimizer が利用する情報）​

  • LAC ルール
    • INCLUDE: 対象判定（特定アセットで最適化可能なユーザーを定義）
    • RESERVE: 「include-all」ルールが存在しユーザーがアプリを使い始めたときに自動作成
  • 使用状況と予測
    • 使用状況のソース: Agent が報告する Process Manager のアクティブセッション
    • ML しきい値: 既定 0.6（変更可）。値が高いほど再割り当て頻度は低下
  • 再割り当ての安全性
    • 席あたり／日あたりの上限: 既定 1（頻繁な入れ替えやユーザー影響を抑制）

制限事項​

  • 現時点では Autodesk Cloud と LinkedIn Sales Navigator のみ対応
  • 専用 UI は未提供。構成と監視は LAC と各プラットフォーム連携で実施
  • アセット全体への「assign all」デプロイは最適化と競合する可能性。ルールベースのデプロイを使用

例​

  1. ユーザー A が AutoCAD を起動したが、すべての席が使用中。
  2. Optimizer は LAC で対象判定を確認し、現在未使用の席を使用状況からスキャン。
  3. ML がユーザー B の近い将来の利用確率が低いと予測。
  4. 席がユーザー B からユーザー A に再割り当てされる。
  5. 両ユーザーに通知が届き、変更はシステムログに記録される。

FAQ​

FAQ を表示

Q: これは License Harvesting と似ていますか？
A: はい、ただしクラウドサブスクリプション向けです。License Harvesting はサーバーベースのライセンスに焦点を当て、Subscription Optimizer はネームドユーザーの SaaS 席を対象とします。

Q: 誰が再割り当ての対象になれるかをどう制御しますか？
A: 各最適化対象アセットについて、LAC の INCLUDE ルールとグループで対象者を定義します。

Q: 影響の大きい再割り当てを避けられますか？
A: はい。Optimizer は席あたりの一日上限を守り、使用状況＋ML 予測で影響を最小化します。暫定アクセスにはトークングループも活用できます。

Q: ユーザー側で再インストールは必要ですか？
A: いいえ。OpenLM Agent がインストールされ、通知のために EUS に到達可能であれば十分です。

トラブルシューティング​

トラブルシューティングを表示

  • 割り当てが発生しない

    • LAC の対象判定（INCLUDE ルール）と、アセットが最適化対象としてマークされているかを確認
    • Agent から Process Manager への使用状況が届いているか確認
    • SAS Agent が SaaS テナントに接続されているか確認

  • 「席がありません」のメッセージが頻発する

    • LAC で対象ユーザー／グループを拡大するか、席数を追加
    • 一時アクセス用にトークングループを有効化

  • 想定外の再割り当てが起きる

    • 日次上限と ML しきい値の設定を見直す
    • アセット全体の一括デプロイを無効化し、ルールベースのデプロイを使用
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